MUSICじゃない内容でLINEのインターンに参加した話
今回はLINE SUMMER INTERNSHIPに参加した話について書こうと思います。*1
そして現在自分はフィリピンのセブ島にいます。31日にインターンが終わり、そこから1日の夜に自宅に帰還。急いでパッキングして、いつのまにかセブにおりました。
と、のっけから情報量爆発💥していますがここから詳しく書いていこうと思います。
目次
- なんでLINEのインターンシップに応募したのか
- LINE LIVEってどんなアプリ?
- 【事前知識】ライブ配信サービスって?
- 【内容】LINE LIVEにおけるニーズ
- 【アウトプット】改めて気付かされた大事なこと
- まとめ
なんでLINEのインターンシップに応募したのか
シンプルにLINEというプラットフォームを活かしてどんなことが出来るか興味があったからです。
昨年末に報告された資料によれば、日本におけるMAUは7400万人。そしてDAU/MAUはなんと84%!もうLINE無しでは生きられないと言っても過言ではありません。
(参照資料:2017年12月期通期決算説明会 )
そしてその中でも特にLINE MUSICの未来に興味がとてもありました。
過去のブログを見ていただいて分かる通り自分は音楽がとても好きです。
そして、サブスクリプションビジネスの未来にとても興味があります。現在音楽配信サービスを利用しているのは全体の約20%。自分は、このユーザー数を上げるためにはどうすれば良いか日々考えております。
そしてその手段としてLINEというプラットフォームはかなり有効であると考え、LINE MUSICに関する選考課題を提出しました。
LINE LIVEってどんなアプリ?
そして課題選考、面接を無事にLINE MUSICに対する熱い想いをぶつけて合格。
しかし!今回インターンで企画を行うサービス候補に"LINE MUSIC"の文字はありませんでした。ちょっとショックでしたが、アーティストのライブ配信なども行なっている"LINE LIVE"を担当することになりました。*2
そしてここで突然の課題です。
みなさん、LINE LIVEってどんなアプリか知ってますか?
おそらくLINE LIVEを知っている人は多いと思うんです。これがまさにLINEというプラットフォームの強みだと思います。
しかし大抵の人が、
「芸能人の配信を見るアプリ」
だと思ってるのではないでしょうか。正しいです。
ただ、
一般人でも配信することができます。
なんならそれでお金を稼いでいる人もいます。
「知らなかった!」という声が画面を超えて国を超えて聞こえてきます。
LINE LIVEみんな知らない問題には2つの要因があります。
- LINEのアプリ内で配信を見れてしまう
LINEで友達になっていれば、そのアカウントとのトークでLIVE配信が見れてしまいます。なんならリアクションもできます。 - LINE LIVEのトップ画面に出ているユーザーはそもそも有名な人である
ただでさえ芸能人の配信を見るアプリというイメージが大きいのに、トップのオススメユーザーには有名ユーザー(芸能人を含む)しか出てこない。
これらに関してはある種LINE LIVEの強みだと思うので、むしろMAUを減らさないためにも必要だと思います。
【事前知識】ライブ配信サービスって?
自分は端的に言うと「自己承認欲求の最終形態」だと思ってました。なんなら今も思っています。
何が起こるか分からない、編集ができないという条件の中で自分という存在を発信する。そこで発揮される自分に価値が無ければ、視聴者はついてくれない。
自分にはできません。興味はありますが。あと10歳若ければ、、、笑
実際最近流行りのライブ配信サービスはいくつもあります。
- LINE LIVE
- 17
- SHOWROOM
- MixChannel
- LiveMe
- Pococha
- TwitCasting
- BIGO LIVE
- Mirrativ などなど
知ってるサービスっていくつくらいありますか?ライブ配信をやってる人は全てのサービスを知っていて当たり前くらいに思いますが、逆にライブ配信に興味が無い人はおそらくLINE LIVEとSHOWROOMくらいしか知らないのでは無いでしょうか?
そして何と言ってもライブ配信サービスの特徴は
一般人でも配信でお金を稼ぐことができる
というところじゃないでしょうか。
現在、一般人でも使えるメディアというのは多様化しています。その中でライブ配信が生き残っている、そして期待されている理由はここにあると思います。汚い話ですけど、配信者と視聴者がお金で繋がっているというのは大きいと思います。
【内容】LINE LIVEにおけるニーズ
インターンでは、
「LINEが提供しているサービスについて追加・改善提案をしてください」
というテーマのもと企画立案からプロトタイプ作成までを4日間で行いました。
優勝チームにはインセンティブが与えられ、各チーム以下のポイントについて考えながら作業を進めました。
評価する際に重視されたポイント
最終発表にはLINEの社員さんや他部門のインターン生など100人くらいの方に来ていただき、評価していただきました。
プランナーインターンの学生は約30人、どの学生も優秀なだけでなく個性が爆発していてめちゃくちゃ楽しかったです。
先にも書いた通り、自分の担当したサービスは「LINE LIVE」でした。
LINE LIVEとして与えられたテーマは、
「視聴者と配信者のコミュニケーションをより活性化するような機能を考えてください」
というものでした。
我々のチームのメンバーにはライブ配信で収益をあげている人はおらず、まずそもそもライブ配信の本質って何だ?というところから議論をしました。
ライブ配信サービスにおける配信者と視聴者のニーズはほとんどYouTubeなどと同じです。どちらも動画が商品になるという点では同じです。
しかしYouTubeとライブ配信サービス、大きく違うところが3つあります。
そもそもライブ配信サービスはその名の通り、その時間に起きていることをそのまま配信します。そのため配信者はその場その場でコンテンツを提供しなければなりません。
そしてYouTubeと大きく違うところは「配信者の稼ぎ方」です。YouTubeの場合はとりあえず視聴者を増やせばその分だけ収益になります。しかし、ライブ配信サービスの場合は視聴者は収益に直結しません。視聴者に「応援したい」と思わせない限り収益を得ることはできません。
そのため、ライブ配信サービスで人気になる人つまり稼いでいる人は視聴者との距離のつめ方が上手な人たちなんです。
雑談でも視聴者が多くいて、課金アイテムをたくさんもらえるユーザーも存在します。
視聴者は自分の憧れの人とリアルタイムでコミュニケーションを取ることに魅力を感じている人が多いです。そのため、多くの視聴者はレスポンスが多い人に対して距離が近づいたと感じ、課金アイテムをプレゼントします。
つまり自分が独断と偏見で判断すると、ライブ配信者には
コンテンツ < 魅力的な顔や声 < 視聴者へのレスポンス
の順で必要になってくると思います。
しかしそうなってくると、
LINE LIVEの改善ってめっちゃ難しい
って思いました。
なぜかというと、芸能人の配信者が多いから。
芸能人の方達が視聴者に適度にレスポンスしたら、もうそれだけでかなりの視聴者がついて一般人の配信なんて誰も見ないだろ!って思っちゃいました。
しかしそれは
半分正解で半分不正解でした
確かに芸能人が配信している時、トップに出てくるのはその配信です。
しかし、一般人の配信者でもきちんと視聴者を獲得している方は多く存在しました。
じゃあその一般人配信者ってどうやって視聴者を獲得してるのか。
LINE LIVEの配信の多くは雑談などでした。つまりLINEやTwitterなどSNSの延長として使っている人が多くいました。
そしてその中の人気ユーザーは視聴者のコメントに対してきちんと言葉を返している人たちでした。
これはどのライブ配信サービスにおいても同じことが言えました。
そして「雑談」というスタイルがLINE LIVE特有のスタイルであるということも分かりました。
しかしまたここで新しい課題が。
新規ユーザーが配信を続ける理由になるものが少ない
他のライブ配信サービスってレベル制度を取り上げたりしていて、配信や視聴を重ねるだけで換金できるアイテムがもらえたりするんですけど、LINE LIVEにはそれがない。
加えて、LINE LIVEって新しい視聴者が来ても「◯◯さんが来ました」的なメッセージが出ないんです。だから誰が見ているかとか分かりづらいんです。
これらって慣れちゃえば大したことないのかもしれないですけど、新規ユーザーがLINE LIVEを使い続ける理由って特にないんですよね。
だから我々のチームはとりあえず配信や視聴もそうだけど、
LINE LIVEを定期的に使ってもらう理由を作る
というところに重点をおいて企画を進めました。しかし、これに気がつくのにめっちゃ時間がかかってしまい、日頃使わないサービスのユーザーニーズを汲み取るってめっちゃ難しいなって痛感しました。
企画した内容についてまで書くとめっちゃ長くなっちゃうので、聞きたい方は個人的に聞いてください笑
【アウトプット】改めて気付かされた大事なこと
1. アイデア出しは全ての準備が整ってから行うこと
まず誰しもが知っていることだと思うけど、ユーザーニーズめちゃくちゃ大事。
今回は4日間という短い期間に踊らされてしまったというのが正直な感想。いつもはアイデアが出ないということで困ることはあまり無い自分ですが、今回は本当に焦りに焦りました。というのも、本質を捉えるのに時間がかかったというのが大きな理由です。
サービスの本質は「ユーザーは何をしたら喜ぶのか」というユーザーニーズに直結していて、そこをきちんと理解しないままアイデアを出してしまっていました。つまり、ヒントを全て聞く前にクイズを答えようとしてしまっていたんです。ヒントが多くあったほうが問題の答えは確実なものになる。しかし今回はユーザーのニーズを全て理解しないままアイデアを出してしまっていたので、Aというニーズは満たすけど新たに見つけたBというニーズは満たさないよねという事態が多く発生しちゃいました。
アイデアはきちんと準備をしてから出そうと改めて感じた。
今までも5W2Hなどについて考えてからとか、ペルソナを作ってからとか、ベンチマークしてからアイデア出しをしていました。今回もそれは行ったのですが、それでもまだ十分じゃありませんでした。
そしてアイデアを出す準備を十分に行うにはマーケティングのスキルや知識なども必要だと感じました。そのため現在、フィリピンのセブでマーケティングインターンの選考を受けています。
2. ユーザーに対して使い方を制限しないということ
もちろん企画者として「ユーザーにこういう使い方をしてほしい」と思うことは大事だと思います。ただ、今回のインターンを通して「こういう使い方をしてほしいから、それに特化した仕様にする」ことは良くないと感じました。
例えば今回担当したLINE LIVEでいうと、大きく分けて配信者と視聴者という2パターンのユーザーがいるが、配信者だけに使える機能を用意すると、その機能を視聴者は楽しむことができません。条件を満たして、課題を解決する手段として適切かつ視聴者に使えなくする理由があるのであれば良い。しかし、使い方を制限するということはユーザーの選択肢を減らし、自分たちが予想できる範囲でしか利益は生まれないということにもなります。
ユーザーニーズをベースとして企画を考えることが最前提の話ですが、自分が主観的に考えるニーズだけを満たすことに集中するとユーザーが持つ可能性を自ら消してしまうこともあるということを学びました。
3. 一般ユーザーが最も喜ぶニーズを考えること
ユーザーにもヘビーユーザーから新規ユーザー、初めて使ったユーザーなど様々なユーザー層が存在します。加えてLINE LIVEだと配信者、視聴者などさらにユーザー層を分けることができます。その中で「どの層のニーズを取れば、最も多くのユーザーがいるタイプの層に喜ばれるか」ということを考えるとさらに良い企画が生まれるのではないかと思いました。今回のインターン中はそこまで考える余裕は無かったのですが、他の班の良い発表を聞いてシンプルに思ったのが「あったら良いなと思うもの」じゃなくて「欲しいと思うもの」を作るということが大事だなということでした。
それってどこの層のニーズを取るのが正解なんだろうってちょっと考えた時に、自分は以下の図のように考えました。
これが絶対正しいとは思わないし、これってめっちゃ難しいことだと思うんですけど、「ユーザーもまだ気づいていないニーズ」の解決策って一般層のユーザーに理解できるのかなって少し思うんです。ただこれはサービスによって考え方は異なると思うし、まだ働いたことも無いただの学生ですから正直答えはまだ分かりません。
ただ一番多くのユーザーがいる層が喜ぶものを企画することが正義だなと改めて感じました。誰でも理解できるし、聞く側のモチベーションも変わるし。
まとめ
今回LINE SUMMER INTERNSHIPに参加して、普通に生きてたら知りえなかったことをたくさん知ることができた気がします。そして、自分は知ったら考えてしまうタイプなので、4日間めちゃくちゃ頭使いました笑
そして自分なりにライブ配信サービスの今後について考えてみました。自分は今後、ライブ配信が自分の居場所になる人が増えていくのような気がします。そして自分が合う人だけとコミュニケーションをできる時代がいずれ来るような気がします。
そう考えた背景として、現在の「働き方改革」があります。数年前までは割と終身雇用万歳!定年まで我慢します!みたいな考え方が普通でしたが、現在では「職場に不安があるなら転職すれば良いじゃん」という考え方に変わりつつあります。つまり自分の働く環境は自分で管理する時代になりつつあるということです。「そんなところで働いてるあなたが悪い」みたいな。
それが人間関係にも適応されるようになったら良いなあと常々思っていました。「生きる環境は自分で管理したい」みたいな。ただ現状それって無理じゃないですか。職場も学校も好きな人もいれば嫌いな人もいる。話を聞いて欲しい人もいれば、話を聞いて欲しくない人もいる。それってすごいめんどくさいじゃないですか。
ただライブ配信を見ていると、「配信者を気に入った人が見にきて、その人にコメントする」みたいな関係が出来てるんですよ。もしその配信者を気に入らなかったら違う配信者を見る、みたいな。自分に合うコミュニケーションの形を探し続けることが出来るツールだなって思ったんです。
もちろんまだそこまで完全なツールではないと思うし、実際自分も日常的に使っているわけではありません。
しかし、手紙から電話、電話からメール、メールからSNSなどとコミュニケーションの形や可能性は日々拡がり続けて来ました。
今後のライブ配信の進化に自分は興味があるし、とても期待しています。
おまけ
下の写真は、最後にもらった記念品です。SNS映えがすごいので、まんまとTwitterやInstagramにアップロードしちゃいました。笑
あと最後にチームメイトからの個人へのフィードバックがありました。そして自分が予想していたことをまんまと言われました笑
- 優しすぎて人を否定できない
- 頭の回転は早いけどその分アイデアが出過ぎる
みたいな長所でも短所でもある点でした。今後気をつけていきたいです。